RI会長代理挨拶並びに報告
RI会長代理
中 島 治一郎
皆さんおはようございます。
グレン・キンロスRI会長の代理と致しまして、この2540地区の地区大会に参加することが出来まして皆様方と親睦を深め、又学習し合える事を非常に喜びに感じております。
先ず以て、秋田県寺田知事様の代理で来ていただきました中村部長さん、そして本荘市の柳田市長様に、日頃私共がお世話になっておりますこと、そしてロータリーに対しますご理解に対して心から御礼を申し上げたいと思います。有り難うございます。
グレン・キンロス会長様と私は一昨日の朝まで札幌に5日間一緒におりました。実は札幌でロータリー研究会が開かれました。これは毎年年末に開くんですが、日本におります約450名のガバナー、パストガバナー、そしてガバナーノミニーが一堂に会しまして、勉強会を2日間やるわけで、そこへキンロス会長さんが来られまして、私はずっとご一緒しておりました。私今ご紹介いただきましたように、会長代理として派遣されるのは8回目ですが、つい一昨昨日まで会長さんとご一緒しておりまして、その足でここへ参らせていただいたというのは初めての経験でございます。
文字通りキンロスさんからの、是非一つ皆さん方に宜しくというご挨拶を伝えさせていただきたいと思います。
キンロス会長さんは、非常に率直な、正直な、優しい方でございまして、5日間接して本当にほのぼのとした気持ちにさせていただきました。奥様のヘザー様も本当に優しい上品な奥様でございまして、思い遣り深い方でございます。このような人格的にも素晴らしいそしてロータリーに対する知識も豊富なリーダーを得ましたのは、非常に幸せなことだと思います。皆様方ご存じの通り、キンロス会長さんは[Show Rotary Cares」というテーマを掲げられました。「Show」というのは動詞でございまして「示せ」ということであります。日本語訳では「ロータリーの心を」で動詞がありませんが、英語のテーマは「示してくれ」で皆様方に御願いしているわけであります。「行動を起こして欲しい」それはロータリーの心を示して欲しいということであります。心を示すには、いろんな事に関心を持たなければ示せないわけでありまして、先ず関心を持って欲しい。それはどの様な関心かと申しますと、あなたの地域社会に対する関心、そして世界に対するいろんな出来事に対する関心、そしてそこに住む人達への関心を持って欲しい、関心を持ったなら、それに対してロータリーが何が出来るかということをよく考えて、それを実行して欲しいということを御願いしているわけであります。
今世界には約10億の、お腹をすかせた人々がおり、飢餓に苦しんでおります。殆ど何も食べないでベットへ行って眠りにつかなければならない方々がおられるわけであります。そして同じように10億程の貧困にあえぐ人達がおるわけであります。私達はお陰様で、この日本では幸せな環境の中で日々を暮らさせてもらっていますが、私達には想像もつかないような貧困にあえいでいる方がたくさんいるわけであります。58億の地球上の人間の約2割が、そういった状態にあるわけであります。この人達に何か出来ないか、という呼びかけをしております。一つの方法として、ロータリーは魚を与えるよりも魚をとる網を与えよと言ってきております。直接食糧を与えるよりも、食糧を稼ぎ出すようなノウハウを与えられないか、網を与える方法を考えて欲しいと言うことであります。一番大切なことは士気、意識の向上ではないかとグレン会長さんは申しているわけであります。文字も読めない、勉強もできないような状態で生活力を向上させるわけにはいかないのであります。是非士気、意識の向上、計算が出来るようにし向けて上げて欲しいと言っておられるわけであります。
今伺いますと、皆さんは既にネパールに対して長年支援を続けられていると言うことであります。特に山岳農業の支援をやっておられる、これはもう貧困を防ぐには素晴らしい支援だと思います。先ず彼等に耕すノウハウを教えそこで物作りに励ませ、そうして沢山の人に食糧を与える努力をさせていることは見事なことだと思います。心から敬意を込めて謝意を表したいと思います。是非この運動は続けるだけでなく、大きくさせて行って頂きたいと思います。
私達は、このような貧困、飢餓を防ぐ為に沢山のプログラムを用意しております。ロータリー財団の中にもいろいろなプログラムがあります。同額補助金と申しまして、皆様方がご支援なさるお金を用意していただきますと、それと同額をロータリー財団から支出しまして、倍にして支援を力強くしようというプログラムもあります。もう少し大きなプログラムでは、3Hプログラムというものもあります。その他に奨学金制度があります。今殆どのロータリー財団での奨学金は、日本から外国へ学ばす為に出す方に使われておりますが、そうゆう発展途上国から学生を呼んで上げて、貧困、飢餓を防ぐための勉強をさせる、そのようにも使えるわけであります。これをジャパンプログラムと呼んでおります。 このように、沢山のいろんな貧困、飢餓を防ぐ為のプログラムを持っておりますので、ロータリー財団を通じて支援していただきたいと思います。
中村部長さんや柳田市長さんの居られる前で一寸如何かなあと思いますが、昨年度の皆様方のロータリー財団に対する支援は少々レベルが低いのであります。是非一つご支援の額をアップさせて、ロータリー財団への御協力を頂きたいと思うわけであります。
一日30円ずつ貯めますと一年間で1万円超えるわけであります。一万円を大した額でないと申しますと反撥を買いますが、一日30円と考えますと大した額でないと実感していただけると思います。先程ガバナーは遠慮されて70$〜80$と申されましたが、是非一つ100$くらいはターゲットにしていただきまして、こういった飢餓、貧困に苦しむ世界の人々を支援するための、有用なプログラムをご活用できるようにしていただきたいことを心から御願いする次第でございます。
そういうことで、国際奉仕いわゆる世界のために、その上に住む人々のために奉仕することに関しましては、グレン会長さんが今年は直接に御願い申し上げておりますので是非一つ皆さん方まだ100日しか過ぎておりませんから、今年度の残りの日々をご活用願いまして、活発なご奉仕を御願い申し上げます。
地域社会を良くするためにも頑張っていただきたい。皆さん方には日本では地域社会ですることがないとお考えの方もあるかもしれません。しかしたくさんございます。私達の地域社会をより良くするために、いろんな事をしなくてはならないと思います。それは現在だけでなく未来を考えますと、益々需要が増えてくるのであります。特に21世紀を背負う青少年の育成であります。皆さんご記憶に生々しいと思いますが、2ヶ月あまり前に神戸で中学2年生の男の子が、小学生の命を奪いましてひどい仕打ちを致しました。残酷なことをするなと驚かれたと思いますが、この事件に対しまして同年輩の子供達の意見を聞きますと、彼の行動は理解できるというのであります。あそこまでひどいことは出来ないが、しかし彼の環境はよく分かる、彼の考え方はよく分かるというのであります。これは非常に恐るべき事だと思うのであります。なぜそのような状況にあるかといいますと、中学2年になりますと、自分の人生が見えるというのであります。立派な高校に入る可能性も薄いということになりますと、自分がBクラスかCクラスの生活しかできないことが読めてくるというのであります。そうしますとあとの残りの人生は暗い、そして周りを見回しましても、両親を含め学校の先生も信頼に足りない、本当に心を寄せられる友達もない、いじめを避けるだけが精一杯、そんな中で非常に暗い自分だけの世界に閉じこもってしまうわけであります。これは何も神戸周辺の子供だけの状態ではなくて、皆さん方の街にもたくさんいるはずでございます。私の街にもおります。そうゆう状況に大いなる関心を持っていただきまして、つぶさに観察し、そのような実態があればどうすれば私達が手を差し伸べられるか、早急にこのようなことに着手しないと大きな問題になってくると思います。彼等は既に人間に対する信頼を失っているのであります。
私達日本の国は人間関係の信頼の上に成り立って参りました。私達の生産性が世界でも一番高かったのも雇用者と雇用される者との間の人間関係が非常に親密で信頼し合って、一生懸命みんなが努力したおかげで世界一の経済レベルに達したのであります。
日本人が一番大切にしています人間関係、人間に対する信頼が喪失されますと、本当に由々しき問題であります。実際に私達の周りで起こっていることなのです。今日これを機会に是非一つお帰りになりましたら、自分の地域社会に於きまして、そういった中学生や高校生がどの様な心境にあるか、先生をお招きして、よくお聞きいただき打てる手を打っていただきたいと思います。それ一つとりましても私達が地域社会でやるべき仕事はたくさんあります。行政の方が居られますが、政府とか地方自治体ではなかなか手を打ちづらい問題だと思います。一番肝心の両親がよく分かっていないわけですから、まさしくロータリーの出番であります。思いやりのロータリーが手を差し伸べなくて誰が差し伸べましょう。真剣に取り組んでいただきたい問題だと思います。
職業奉仕の分野に於きましては、キンロス会長さんは一遍原点に帰ろうというふうに呼びかけておられます。私はこの5日間ほどご一緒しましたので、「キンロス会長、原点に戻るということは、どうゆうことですか」お伺いを致しました。キンロスさんは「綱領の二番目に職業奉仕について、きちっと書いてあるでしょう。あれをもう一度再確認をしてあれを実践して欲しい」と言われました。
綱領の二番目には、私達が職業人としてその代表としております職業グループの道徳的な水準をアップさせるように努力しましょう。と一番目に書いてあります。そして自分が代表します職業の存在価値そして有用性を良く認識して深めるような努力をしましょう、そして最後に自分の業務の品位を高めよう(品位あらしめよう)と書いてあります。今、自分の職業の品位を低めこそすれ、高める方が少なくなって参りました。一流企業でも皆さん方ご承知の通り品位が低下いたしまして、いろんな事件が起こっております。私達はこのような素晴らしい綱領を持っているわけでありますので、もう一度クラブの皆さん方とこの綱領を再認識して実施する努力をして頂きたいと思うのであります。
今日本の職業奉仕でやるべき事は、たくさんあります。だけどやってないだけでありまして、日本におります13万人のロータリアンがそれぞれこれを再認識して、実施に努めるならば、日本の職業的な人道的水準は、ずいぶんアップしてくると思うのであります。その努力を続ければ経済界に起こった不祥事は払拭されるものだと思います。
ただそこで必要なのは、社会的にインパクトのある人をロータリアンにする努力をするべきだと思います。そして、既にロータリアンの方は社会的インパクトを強めるべく、例えば商工会議所の会頭とか副会頭とか、そのようなポジションを確保すべきように努力すべきだと思うのであります。
この本荘に於きましては、商工会の会長さんは元ライオンズクラブの会員だと伺いました。ライオンズの方を切り抜いてと言うわけにはいきませんけれども、是非一つ副会長さんか次の会長さんかをロータリーのスピリッツを世に広めて下さるような戦士を増やしていくような、ご努力を御願いしたいと思うわけであります。これはあらゆる地域でそうした努力をしていきませんと、私達のせっかくのロータリースピリッツが分散しないわけであります。職業奉仕につきましては、是非原点に帰って、綱領から学習をし直してもう一度私達が一番大切にしております一業種一人、自分自分の職業の代表選手であることの思いを強くしまして、自分の代表する職域のあらゆる面に於きます道徳的な水準をアップすべく、いわゆる品位を高めるべく努力していただきたいと思うわけであります。
私は自分のやっている業務の品位を高める、品位あらしめる努力は、自分の人格を高めないと無理な話でございます。私達はロータリーのクラブ奉仕というものがありますが、このクラブ奉仕の中で一番大切にしておりますのは自分の人格向上であると思うのであります。一週間に一回行います例会、この内容は非常に問題であります。私は役目柄沢山のクラブを訪問いたしますが、一週間に一回の例会が非常に充実しておりまして、奉仕の機会を交換しあい、そして行いました奉仕についてこういった喜びがあるよということで喜びを分かち合い、何か一週間に一回例会に出れば、友情に恵まれそして皆さん方の世の中を良くする前向きの話にもまれまして、心が洗われたような気持ちになって会場を出てくるような例会だと思うのですが、どうも1時間無駄に過ごしたような例会が多いように思われてならないのであります。もう一度皆さんクラブ奉仕というものを考えていただきまして、是非一つ自分のクラブの例会を心を潤すような雰囲気、そして一週間何か実業界で汚れて帰って参りまして、その例会で洗われて、よし又一つ頑張ろうと実業界へ飛び出していくような雰囲気を持つ例会にすべくご努力をしていただきたい。
今四大奉仕部分に関わりまして、全面的に至極簡単にでありますが、グレンさんが是非一つ皆さん方に伝えていただきたいという考えをご披露させていただきました。
これは私がここでしゃべりまして、うなずいていただきましてもクラブにお帰りになりまして、皆さん方にお伝えいただき実践をしていただかないと意味のないことでございます。
こういう地区大会という機会に、学習していただき、お広め頂き、実践していただきたいと思います。
私は、ここでRIの近況を報告する義務があります。ただいまロータリーは155カ国に28,700余りのクラブがありまして、121万人の同志がおります。先程中村部長さんにお聞きしますと、秋田県の県民数が丁度同じだそうでございます。少々減少気味であると申しておりました。ロータリーもなかなか121万人から増えないわけでございますが、先程申しましたように私達は沢山の問題を抱えております。地球の上でも地球社会に於きましても、これを少しでも住み良いところにし、平和にし、そして思いやりに満ちた人で一杯になるような努力をしようと思えば、私達の同志を増やす以外手はないわけであります。秋田県も人口を増やすように努力されましょう。私達も地域社会から同志を増やすことの努力を続けまして、来年には何人か増えた、またその次には何万人か増えたというように同志が増えたことを共に喜びたいと思います。これは一人一人の方がそのような思いになられて、同志を増やす努力していただかないと出来ないことです。同志を増やすことも、増強という言葉を使いますとまた何か上からいわれたという思いになりましょうが、そうではないのです。自分がロータリーの活動を通じて世の中を良くしようという思いが一杯になり、どうしても同志を増やしたいという思いにかられて増強に励んでいただきたいのであります。
もう一つお伝えしたいことは、女性会員のことでございます。今75,000人程世界に居られます、日本はそれの約1%でございます。750人を少し切れておりますが、是非女性会員の有望な方が居られますから、同志を増やす中へ女性の方も一緒に混ざっていただくような努力を御願いしたいと思います。
他のRIの近況でありますが、1999年から2000年の会長が決まりました。9月15日に選考会がありまして、私も今回は前理事長と一緒に選考委員のひとりとして行って参りました。イタリアのカルロ・ラビツアーと言う方を会長に選んで参りました。イタリア人でございますが、多くの外国語(日本語は出来ません)を話されまして国際人であります。人格も高潔で、素晴らしい方が1999年〜2000年のRI会長になられることを、誇りを持って皆様方にお伝え申し上げます。
もう一つは事務総長でございますが、アールアン・ハイアットと言う方が事務総長を務めることになりまして、現在就任して居られます。恥ずかしいことに過去5年間に4人の事務総長が代わったのであります。このようなことは私達の思いやりの団体ではあるべき事ではありません。しかしながら現実に次々と代わってしまったのでありますが、今度ようやく人を得まして、アールアン・ハイアットさんは、ついこの間まで大学の総長をして居られました。非常に人格の高潔な、ロータリー知識に優れた、思いやりに満ち満ちた素晴らしい方であります。この方はこれから長い間奉仕して下さるものと思います。このように素晴らしい方を得ましたことを皆様と共に喜びたいと思います。
国際ロータリーとロータリー財団の財政でありますが、非常に健全であります。ご承知のようにアメリカの昨今は非常に好景気でありまして、運用しているお金がよく回っており利回りが高くて非常な黒字で推移しております。心配しないで下さい。リスクの高いことはやっておりませんからもしもブラックマンデーが参りましても今回は心配ありません。
もう一つだけお願い致します。来年の6月14日から17日までアメリカのインディアナポリスで、国際大会があります。グレン・キンロスさんの大会でありますので、皆様方多数ご参加していただくように、グレンさんから頼まれて参りました。クラブに帰られましたらアメリカ本部シカゴの近くですので、本部へもお寄り下さったらと思います。お誘い合わせの上、たくさんご参加下さいますようお願い致します。と同時に、この大会が最後まで成功裡に推移し、そして今いらっしゃる方々が空席を増やさないで、そのまま最後まで居て下さることを心から念じまして、私の挨拶にかえます。ありがとうございました。