5.社会参加
効果をあげている中学生の社会参加
社会に足を踏み入れる喜び実感
○ 受験競争による過度の塾通い、核家族化、テレビの室内娯楽の影響などによる中学生 の放課後の社会参加は極めて低下の状況にあります。しかし、数は少ないけれども、地 域や団体活動に積極的に参加している生徒は、それなりに効果が得られ、学校や家庭生 活にもいい効果をもたらしています。
たとえばジュニアリーダー活動、ボーイスカウト、ガールスカウト、子ども会、青少 年施設・児童館での活動などがそれです。
○ 次の作文は、夏休みの宿題で、目の不自由な子のため拡大写本を作った中学生の感想 文です。
「拡大写本をやってる時途中で少しあきたように思ったことがありましたが、自分な りに一生懸命やりました。私の書いたものを私の知らない子が読んでくれるなんて、な んとなく楽しく幸せな気持ちでした。たまに細くなったり、よみにくい字があったりし たのは深く反省しています。ごめんなさい。私はこれをやってみて、私のような日ごろ 無精な者にとって、とてもよい経験だったと思いました。そして、この仕事を通して、 社会に少しずつ足を踏み入れたようなかんじがしました。」
社会参加の意味を理解し、すすんで参加する中学生に
参加活動への手だても必要
○ 中学生の社会参加にはどのような意味があるでしょうか。いくつか例示してみましょ う。
・ 技や態度の習得〜さまざまな遊び、ゲーム、歌、踊り。野外活動での薪割り、飯ご う炊さん、テント張り、オリエンテーリングなどの技術、態度など
・ 人間関係の認識理解の深まり〜子供会などでは小学生から指導員の大学生、世話人 や指導者の大人までの異年齢の人びとと接する中での人間関係の認識理解
・ 成就感、喜び、社会性、自信、道徳性など
○ 公民館、勤労青少年ホーム、児童会館、児童館などを中学生のいい意味での溜り場と して提供し、相談活動、文化活動、地域活動などを行えるようにするとともに、中学生 が社会参加できるための内容のジュニア講座などのプログラムも準備したいものです。
ーワンポイト・アドバイスー
中学生の社会参加の低下を嘆くまえに、大人が参加を促す手だてを。